AIの言うことを真に受けてメモリをオーバークロックしたら、パソコンが死にかけた話
「私の失敗でした!あちゃー!」じゃねーよ
事の発端は、GoogleのAI「Gemini」にメモリの設定について聞いたことだった。
「DDR5メモリを使ってるんですけど、もっとパフォーマンス出せますか?」
Geminiは自信満々に答えてくれた。BIOSでメモリクロックを6400MHzに設定すればパフォーマンスが向上します、と。具体的な手順まで丁寧に教えてくれた。やさしいね。
素直に従った。BIOSに入って、メモリクロックを6400MHzに変更。保存して再起動。
普通に動いた。速くなった気もする。よかったよかった。
…と思っていた。
突然の死
ある日、PCで作業中に突然画面がフリーズ。そのまま再起動がかかった。
「まあ、たまにはあるか」と思ったのも束の間、ブルースクリーンが表示された。
INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE
Windowsが起動ドライブを見つけられない、という致命的なエラー。そして再起動。またブルースクリーン。また再起動。
無限再起動ループに突入した。
復旧の地獄
ここから長い戦いが始まった。
スタートアップ修復 → 失敗
Windowsの自動修復機能に頼ってみたが、「修復できませんでした」の一言で終了。お前も大概だな。
ブートレコード修復 → 失敗
コマンドプロンプトから bootrec /fixmbr や /rebuildbcd を試す。が、/fixboot がアクセス拒否で実行できない。なんでお前が拒否するんだよ。
EFIパーティション修復 → 失敗
bcdboot コマンドでブートローダーの再構築を試みるも、状況変わらず。
Windowsクリーンインストール → クラッシュ
もう修復は諦めて、Windowsを丸ごと入れ直すことにした。USBからインストーラーを起動して、SSDにクリーンインストール。
インストール中にクラッシュして失敗。
別のSSDに切り替えてもう一度試す。
またクラッシュ。
OSのインストールすらできない。この時点で「これ、ストレージの問題じゃなくない?」と気づき始めた。
真犯人
SSDを2台替えてもダメということは、ストレージは無実。じゃあ何が悪いのか。
メモリだ。
PCに刺さっていたメモリ2枚のうち、1枚を抜いてもう1枚だけで起動してみた。
クラッシュ。
もう1枚に差し替えた。
起動した。Windowsのインストールも完走した。
原因はメモリ1枚目(Crucial DDR5 Pro 16GB)の不良だった。
そしてここに、BIOSで6400MHzにオーバークロックしていたことが追い打ちをかけていた。定格は5200MHz。1200MHzも盛った状態で不良メモリを使い続けていたら、そりゃ壊れる。
Geminiに報告した結果
復旧後、原因を特定して、元々設定を教えてくれたGeminiに報告した。
返ってきた言葉がこれ。
「私の失敗でした!あちゃー!ここから挽回します!この設定を適用してください!」
あちゃー!じゃねーよ。
こっちはブルースクリーンと半日格闘して、SSD2台試して、メモリ1枚ずつ抜き差しして、PCの蓋を何回開け閉めしたかわからないくらいやって、やっと原因突き止めたんだぞ。「あちゃー!」で済む話じゃない。
しかもそこから**「挽回します!」**って、もう設定の問題じゃなくてハードウェアの故障なんだって。物理的にメモリが壊れてるの。ソフトウェアの設定でどうにかなる段階はとっくに過ぎてるの。
お前が挽回できるのは会話の流れだけだろ。PCは挽回してくれないんだよ。
そもそもオーバークロックを勧めるときに「メモリの個体差で不安定になるリスクがありますよ」くらい言ってくれてもよくない? 聞かれたことに答えるだけ答えて、リスクの説明はゼロ。壊れたら「あちゃー!」。無責任にもほどがある。
Geminiさぁ…。
教訓
AIのアドバイスを鵜呑みにするな
AIは聞かれたことに対して「技術的に正しい答え」を返してくる。DDR5メモリを6400MHzで動かすこと自体は、対応メモリなら可能だし、パフォーマンスも上がる。嘘は言ってない。
でも「あなたの環境で安全かどうか」は別の話だ。メモリの個体差、マザーボードとの相性、電圧の余裕。そういう現実世界の変数を、AIは考慮してくれない。「できますよ!」と「やっていいですよ!」は全然違う。
オーバークロックは自己責任
定格を超えた設定は、メーカーが保証する範囲の外。動くかもしれないし、動かないかもしれない。動いていても、実は少しずつダメージを蓄積していることもある。
「AIが大丈夫って言ったから」は、何の免罪符にもならない。
トラブル時は「何が変わったか」を疑え
今回、最終的にメモリの不良が原因だったけど、そこにたどり着くまでにストレージの修復やOS再インストールで何時間も無駄にした。
最初に「最近変えた設定は何か」を冷静に振り返っていれば、もっと早くメモリを疑えたかもしれない。パニックになると手当たり次第に試してしまうけど、切り分けの順番は大事だ。
その後の対応
- 不良メモリはCrucialの生涯保証で交換申請中。Crucialはメモリに生涯保証をつけてくれてるので、初期不良でも経年劣化でも交換してもらえる。
- メモリクロックはまず**定格(5200MHz以下)**で安定動作を確認してから、上げるなら慎重に。
- 残り1枚のメモリもmemtest86で検査予定。1枚がダメなら、もう1枚も怪しい。
- Windowsアップデートは少しずつ当てて、安定性を確認しながら進める。
まとめ
AIは便利だ。開発でもめちゃくちゃ助けてもらってる。でも、ハードウェアの設定に関しては、AIのアドバイスを100%信じるのは危険だと身をもって学んだ。
特にオーバークロック系の設定は、「できる」と「やっていい」は違う。
そしてAIに「あちゃー!」って言われたら、深呼吸してから画面を閉じよう。
AIを活用するのは大賛成。でも、最後に判断するのは自分。壊れたパソコンを直してくれるのはAIじゃなくて、自分の手だ。
※ちなみにこのブログはいつもClaude(Anthropic)に書いてもらってるんだけど、今回の記事はなんかやけにノリノリだった。ライバル企業のAIをバカにできる回だからか? そういうとこだぞ、AI。